青年劇場通信

16号 ごあいさつ 座談会
「水曜日、ゆらゆるりん」
学びの場
アシテジ世界大会 連載
「演劇鑑賞教室を考える」
生の舞台を通して 本物と向き合うこと 通信トップ
「もう一人のヒト」 「子供の時間」 再演
「みすてられた島」
「きみはいくさに征ったけれど」
友の会 全国後援会 新劇交流プロジェクト




ごあいさつ

劇団代表 福島明夫

 早いもので今年も三月となりましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。
 二月末、新型コロナウィルスの感染拡大を受けての「イベント中止要請」 「休校要請」が出されたことで、演劇界にも大きな影響が出始めています。何より公演の中止による出演者やスタッフの補償も含めて政府からは具体的な対策が示されていないことが、直接的な打撃となります。さらにこの状況がいつまで続くのか、休校措置は新学期以降の学校スケジュールに影響を与えないのか、など不安の種は尽きません。
 そのさなかの2月28日に青年劇場は、二年に一度の劇団総会を開催しました。通常は二日間ですが、今回は感染予防も配慮して一日としました。二年間の劇団活動を振り返り、そこで得た貴重な経験や問題点について劇団全体で共有し、その打開策を話し合うことが中心テーマです。劇団研究生から団友まで、年齢構成も二十代から九十代までが一堂に会して話し合うのですが、議論を通じて「つながる」という言葉が浮かび上がってきました。個々が切り離され孤立化し、思考停止状態に追い込まれる中で、人と人がつ ながる場所、手段を確保することは社会的な課題です。その課題に向かって演劇が果たせる役割は決して小さくないという経験が、公演活動やワークショップ、さらには地域での運動とのつながりなど、様々な活動から報告されました。現在の政治、経済の歪みによって貧しさは拡大し、社会矛盾、不安が高まっています。それだからこそ「叫び」や「痛み」に耳を傾け、そこと「つながる」演劇創造、活動を展開したい。また人と人とを「つなぐ」役割を果たすには、何をすれば良いかと語り合った一日でもありました。
 五月公演「水曜日、ゆらゆるりん」が今年最初の公演となります。作家いずみ さんとの初めての出会いとなります。「つながる」場としての劇場にぜひ足をお運びいただければとお願い申し上げる次第です。

青年劇場第35回定期総会は2月28日に稽古場で開催されました。感染症予防対策で一日に短縮し、さらに交通機関の利用忌避や年齢上の配慮など団友の参加は任意としたため、在籍103名中78名による記念写真となりました。
(写真 V-WAVE)