きみはいくさに征ったけれど
大西弘記=作 関根信一=演出
美術=乘峯雅寛 照明=河ア浩 音響効果=石井隆
衣裳=宮岡増枝 舞台監督=新庄広樹 演出助手=清原達之
宣伝美術=増田絵里(Design Port) 製作=白木匡子 佐藤尚子
学校公演の上演関連データ、
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「僕、僕…なんのために生きているのか、わからないんだ」
「わからんっちゅうことも、生きとることになるんとちゃうか?」
生きることが楽しかった君と僕は出逢えた…
軍国主義一色の窮屈な時代に生き、戦地においてもなお、みずみずしい感性で「五月のように」「三ツ星さん」「骨のうたう」などの詩を残した竹内浩三。
そんな竹内浩三と「消えたい」と感じる現代の高校生が出会ったら…。
大西弘記氏(TOKYOハンバーグ)×関根信一氏(劇団フライングステージ)×青年劇場、2018年3月紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで初演し、多くの人の心を震わせた舞台、全国巡演中!!
<あらすじ>
家にも学校にも居場所を見つけられない高校生の宮斗。ある日、彼の前に風変わりな一人の青年が現れ、彼に話しかける。「なんしとん?」
夏休み、宮斗は母の勧めでおばあちゃんが暮らす父の故郷伊勢へ向かう。その車中で再び青年に話しかけられる。自分も故郷の伊勢に行くという彼は自分の名前を「浩三」と名乗る。
久しぶりに再会するおばあちゃん、伊勢で出会った温かい家族、そして浩三との出会いの中で、宮斗の心は少しずつほぐれ、変わっていく…。
竹内浩三のポートレート
山田洋次(映画監督)
竹内浩三の有名なポートレートが二枚ある。
ひとつは学生時代。
角帽をちょっと不良っぽくアミダにかぶり、ゆがめた唇から今にも皮肉な警句がとび出してそのあと大口をあけて笑い出すんじゃないか、と思わせるような表情。
もう一枚は軍服姿。
あのカーキ色の野暮ったい服を着るのはどんなに嫌だっただろうかと想像するのだが、しかし彼の表情は学生服姿の時とほとんど変らない、今にも吹き出しそうな、なにかとてつもなく面白いことを考えているかのようにニヤニヤしている。
あの時代、軍服姿でカメラにおさまる時は誰でもきまじめな、厳そかな表情になったものだ。
竹内浩三のようにニヤニヤした軍服姿の写真など、見たことがない。
軍隊の中で殴られたり蹴とばされたりしながら人を殺す教育を受けていても、彼のやわらかな人間性はいささかも変ることがなかったのだろう、それでなくてあのような人間味のあふれる表情でカメラに収まるわけがない、とぼくは思う。
あの写真を撮った何年後だろうか、多分二、三年以内だっただろう、この天才詩人はフィリピン戦争で無慚な死を遂げる。
米兵かゲリラの弾にあたったのか、あるいは餓死――その可能性の方が大きいかもしれない。
今際のきわに彼は何を思い、何を口にしたのだろうか。
竹内浩三を死に追いやったのは誰だ。
誰がその命令を出したのだ。
その責任は誰にあるのだ。
戦争を憎むという言葉を吐くのはたやすいが、しかし竹内浩三の戦死については、責任者出て来い、と思わず声をあげたくなる。
ぼくはそれくらいこの人が好きだ。
竹内浩三(たけうちこうぞう)
1921(大正10)年三重県宇治山田市(現伊勢市)生まれ。
1942年日本大学卒業とともに入営し、1945年4月9日フィリピン・ルソン島バギオ北方にて戦死(厳密には生死不明)。
数多くの詩や漫画が残されている。
大西弘記(おおにしひろき)
三重県伊勢市出身。
2006年、自らの作品を上演するためTOKYOハンバーグを立ち上げる。
社会問題を取り扱いながら、その優しい感性で注目を集める。
「最後に歩く道」で2015年度サンモールスタジオ選定賞最優秀演出賞を受賞。
近年では、2016年「愛、あるいは哀、それは相。」(作・演出) 、2017年「KUDAN」(作・演出)、劇団ポプラ「チョコレート戦争」(作)など。
関根信一(せきねしんいち)
東京都葛飾区出身。
1992年、「ゲイの劇団」劇団フライングステージを旗揚げ。
緻密で繊細、確かな演出力に定評がある。
1991年「ぼくのおじさん」で神奈川戯曲賞佳作入選。
2017年「LIFE,LIVE ライフ、ライブ」(作・演出・出演)など。
他に、アート企画陽だまり ドラマ・リーディング「空の村号」(作 篠原久美子)、劇団うりんこ「わたしとわたし、ぼくとぼく」(作・演出)等、数多く演出を手がける。
出 演
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ツアースタッフ
舞台監督=安田遼平 舞台監督助手=松橋秀幸
照明=河崎浩 永友智美
音響効果=山口ゆり(フリー) スタッフ=島本真治 秋谷翔音
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―2021年公演予定―
6月〜7月 関東 近畿
10月〜12月 山形高校演劇教室(村山地区) 関東 他
詳しい日程は →
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