学校公演の感想
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2021年 学校公演より




〜高校生の感想〜

初めて生きるということを真剣に考えた
 題名だけを聞いて最初は、戦争のことについてだと思っていましたが、戦争の話や命の話といった大きなテーマというより、私たちの身近な問題や人と人との関わりなどを改めて学ぶことができたと思います。
 初めて生きるということを真剣に考えた一日でした。
(高校1年生)
私も、私の感じたものを残したいと思えた
 とても素敵な時間でした。
 一人一人の登場人物に特徴があって、人生があって、喜びや悲しみがあって、確かにそこに生きているように感じました。
 主人公が最初の追い詰められているところから最後の晴々しい心情に移りますが、 造三さんは最初は晴々しい態度で始まり、戦争に怯える弱々しい姿を見せました。 この二つの対比が本当に面白くて、主人公からは人に自分の意見や弱さを打ちあけ、 自分を変えることの大切さと素晴らしさを。 造三さんからは戦争の痛々しさや造って残していくことの面白さを学びました。
 ……私は日記が得意ではなく、いつも三日坊主になってしまうのですが、 劇を見たその日に余韻に浸りながらつい日記帳を購入してしまいました。 造三さんほど大きなものは望んでいません。
 ですが、私も、私の感じたものや見える世界を形として残したいと思える、そんな時間になりました。 とても素敵で価値のある時間でした。
(高校2年生)
「自分はいらない存在なのかな」
と考えることがある
 私はいじめや勉強や家族トラブルはありませんが、人見知りで引っ込み思案な性格の為いつも孤立してしまい、1年から大人しかった私のイメージが離れず、クラスの子と気を許して話すことが出来ません。 本心が出せず孤立する以外にも、コンプレックスや才能が無いことに耐えられず、学校のことだけで「自分はいらない存在なのかな」と考えてしまうことがあります。 宮斗ほど深刻な問題ではありませんが、感じているものは私と似ているなと思いました。
 ……さらに、浩三さんの詩の中でも、「ヴィヴェ・ジョワイユー歓喜して生きようー」と言う言葉がとても心に残りました。 生きることが分からなくなったら何かを楽しめば良い、何を楽しめば良いか分からなかったら楽しいことを見つける、そんなメッセージに心が揺さぶられました。
 浩三さんは戦争に行ってしまい、20代で亡くなってしまうけれど、どんなに辛い訓練も不自由な世の中でも詩を書くことが浩三さんにとっての楽しみだったんだなと感じました。 私も、もし辛くなった時には自分の好きなことをして、歓喜して生きていこうと思いました。
(高校2年生)


〜中学生の感想〜

「人との縁」や「生きるということ」について
自分なりの答えを探していきたい
 どこかコミカルなかけあいが多くて会話のテンポも良く、話に入りこみやすかったです。
 宮斗がいじめにあうシーンは宮斗の心象描写がすごく繊細に描かれていて現代のいじめの様子がすごく鮮明に伝わってきました。
 竹内浩三さんの詩や浩三、おばあちゃんや伊勢の人達と過ごす内に宮斗が少しずつ変わっていき、自分の思いを伝えたり自分の意志で行動できるようになっていって、最後には真正面から人とぶつかっていけていたところがすごく心に響きました。
 「人との縁」や「生きるということ」について自分でも考えて自分なりの答えをこれからの人生の中で探していきたいと思いました。すばらしい劇をありがとうございました。
人それぞれの「生きる」ということに対しての思いに、すごく感動した
 この劇をみて、私は「生きることの大切さやほこらしさ」「戦争の辛さや悲しさ」を、改めて知ることが出来ました。
 浩三さんの“ポジティブさ”や宮斗さんの“まわりを思う優しさ”、そして、宮斗さんのまわりの人の“熱心さ”がすごく伝わってきて、その人それぞれの「生きる」ということに対しての思いに、すごく感動し、思わず涙を流してしまうほどでした。
 また、「戦争」は本当に、あってはならないものだということを今までよりも強く感じました。 平和な日々の積み重ねが、こんなにもすばらしく、ほこらしく、幸せなものなんだ、と改めて実感しました。 今があり、私達があることに、感謝を忘れないように過ごしたいです。
 ……この劇は私にとって最高の思い出となり、貴重な経験になりました。本当にありがとうございました。
心をひらくのはすぐにできないけど
人の力で心をひらかせることはできる
 劇をみて自分は戦争が悲しいことだということはもちろん、戦争中でも前向きに生きていこう、好きなことをしようという人もいることを竹内浩三さんの人柄からそう思いました。
 宮斗が死にたいと思っているところに浩三さんがきて、浩三さんと宮斗が話をしている内にどんどん心をひらいていって最終的には浩三さんの人柄のように生きることを楽しもうとしている。 人はコミュニケーションをとることで心をひらいていくんだなと思いました。
 浩三さんと宮斗が初めて出会った時、空を見上げて「雲の上にはきっとある」みたいなことを浩三さんはいっていたけど、それは宮斗が死にたいと思っているけど死にたいと思っていることの奥には楽しいことがしたいと思っていることと同じなんじゃないかなと思う。 宮斗は初めの方は全然笑えていなかったけど最後の方は笑えていて、人は心をひらくのはすぐにできないけど人の力で心をひらかせることはできるのだと思いました。


〜先生の感想〜

主人公の心境の変化に
心を揺さぶられた生徒が多かった
 2年ぶりの演劇教室でしたが、舞台に引き込まれるように見ていた生徒が多くいました。 現代の高校生をとりまくいじめやSNSにからめ、高校生の内面に迫る内容でした。「浩三さん」とのやり取りを通して成長していく主人公のありさまに、自分のことのように感じ、心境の変化に心を揺さぶられた生徒が多かったようです。
自分の「生命」を感じていく展開が
分かりやすく演出されていた
 今回の演劇を通じて、生徒たちは「生きることの意味」や「生命の大切さ」を切実に感じたように思う。 宮斗くんが、竹内浩三の人生を振り返り、思いを自分自身に重ね、自分の「生命」を感じていく展開が、最後のシーンで分かりやすく演出されていたように感じる。
 また、伊勢弁の柔らかさが、戦争という重たいテーマを人間性あふれるヒューマニズムを醸し出していて、とても心に残る作品になった。
 核家族化や無縁社会などにより、大家族的なつながりが薄くなりがちな、昨今の日本社会において、アットホームな場面もよい学びになったと思う。

舞台写真:鈴木ヨシアキ




>>演劇鑑賞教室について考える<<
※学校での演劇鑑賞教室について劇団機関紙上で連載していたものを
Web上にアップしました。



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