劇団きのうきょう

演劇の裾野を広げる演劇鑑賞会

 青年劇場は今年、「喜劇キュリー夫人」が首都圏・関越を、「菜の花らぷそでぃ」が東北・九州を公演します。いずれも、全国演劇鑑賞団体連絡会議に加盟する、各地の演劇鑑賞会、市民劇場の例会として行われる旅公演です。青年劇場の地方公演には、学校公演・実行委員会公演などがありますが、一般の方を対象とする公演の大半は、演劇鑑賞会の例会での公演です。今回はこの演劇鑑賞会について、少しご紹介させて頂きます。

 演劇鑑賞会とは、サークルを基礎に、年間6本前後の作品を例会として、継続して演劇を鑑賞する会です。会員一人一人が「自分達の鑑賞会」として、より多くの会員・サークルで例会を迎えるために、日々活動・奮闘されています。全国組織となったのは1964年ですが、現在全国で143団体・約22万人の会員を有しており、年間1800回前後のステージを主催しています。市民の手による運営で演劇を鑑賞する団体というのは、世界でも例をみないものです。

 「喜劇キュリー夫人」は、1992年初演、その後東北・静岡・中部北陸・近畿・中国・四国・九州と各地の演劇鑑賞会をまわってきました。今年は3月2日の前橋労演からスタートし、首都圏10団体・関越11団体を公演し、4月30日ちば演劇をみる会で千秋楽、14年間でトータル299ステージとなります。

 「菜の花らぷそでぃ」は2000年に初演、2002・2003年の中部北陸・静岡・関越ブロック他の例会から、3年振りの旅公演となります。今回は7月4日から9月30日まで、東北18団体・九州14団体の演劇鑑賞会をまわる、77ステージ・約3ヶ月間の長い旅です。

高橋正圀氏講演会
高橋正圀氏講演会の様子
写真提供:山形演劇鑑賞会
 例会で充実した舞台をお届けするのはもちろんのことですが、事前に開かれる会議やサークル会に伺って作品の魅力を語るなど、劇団も、会員のみなさんと一緒に例会を創っていきます。(3月に開かれた山形県の演劇鑑賞会の定期総会では、米沢出身というご縁もあり、脚本の高橋正圀さんが記念講演を行いました。)

 2007年も「菜の花らぷそでぃ」は長野県・四国ブロック、「銃口−教師・北森竜太の青春」は中部北陸ブロックの演劇鑑賞会での例会があります。演劇の裾野を広げる演劇鑑賞運動がこれからも発展するよう、劇団も力を尽くしていきたいと思っています。

菅沢真紀(製作部)