2008年顔合わせ(1月7日)



四十五周年を前に

代表 福島明夫

 あけましておめでとうございます。

 昨年は、この国の貧しさが様々な分野で噴出し、それに対しての変化を望む声が参議院での与野党逆転を生んだという点で、特徴的な年になりました。ただ、貧困の拡大、社会不安などによって、劇団を取り囲む環境がますます悪化しているのも事実です。

 その中でも劇団は「修学旅行」「シャッター通り商店街」という二本の新作を作ることができました。特に「修学旅行」は新たな青少年劇場作品としてすでに昨秋からの高等学校公演でも好評を得ています。さらに「博士の愛した数式」が文化庁本物の舞台芸術体験事業での中学校体育館公演、子ども劇場公演などで、全国での公演をスタートさせています。三年前に始めた「青年劇場50年への挑戦5000万円募金」で、その第一の柱としていたのは、この青少年劇場運動の灯を消さないということでした。皆様からの募金に付せられた手紙の中にも、そのことへの願いが綴られたものが数多く寄せられています。2005年に製作した「3150万秒と、少し」に続き青少年劇場作品が生まれ、しかも各地で好評をいただいていることは何より嬉しいことです。

 さらに昨年は、今年の全国公演をめがけ、「族譜」再演にとりくみました。わずか6回の公演でしたが、江戸川、小平の皆様の大きなお力添えも頂き、成功させることができました。今年6・7月の全国公演の準備中ですが、皆様から頂いた熱い励ましが大きな力になっています。また「シャッター通り商店街」にも終演後、様々なお問い合わせも頂いています。来年以降の再演、全国公演を検討中です。

 さらに、皆様から頂いた募金をもとに、稽古場の改修作業にも入っています。昨年暮れに、空調、排気設備の交換を行なうことが出来ました。これから今年12月のスタジオ結(YUI)企画公演に向け、さらに出来るところから整備していく予定です。

 今年青年劇場は創立(1964年)から満44年となります。来年45周年の企画準備も進めていますが、今年2月の小劇場企画(土方与平訳)、4月の定例公演(瓜生正美演出)と、期せずして劇団顧問お二人の作品が並びます。創立以来青年劇場は作品を創造するばかりでなく、一人でも多くの人々に贈り届ける普及活動を劇団活動の大きな柱に据えてきました。暮らしが疲弊し、劇場離れも指摘されていますが、そんな時代だからこそ演劇をという気構えで劇団員がお邪魔することと思います。ぜひお力添えをよろしくお願いします。そして劇場に足をお運びいただき、叱咤激励いただければと存じます。本年もよろしくお願い申し上げます。


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