「つながりのレシピ」の稽古場には、
パン焼き窯などの稽古道具や小道具なども用意され、
立ち稽古がはじまりました。
演出家の関根信一さんを中心に俳優一人一人が新たに発見したことや疑問を持ち込み、
一場一場のつながりを確認していきます。
物語のリアルさが増していく日々です。
さて、私はこの作品でひきこもりの娘を持つ母親を演じます。
「ひきこもり」…もやもやと考えていたとき、
ひきこもり生活を送る人々が自室を撮影した写真を公開する展覧会があることを知り、
出かけてみました。
そこで20年間ひきこもっていた女性のかたのお話を聞くことができました。
「宇宙の中で自分は1人だと思っていたけど、
ひきこもり当事者活動と出会い、
仲間と居場所を見つけることで、人生が変わった」。
仲間と居場所…この言葉が私の中でつながって響きました。
つながっていく、「つながりのレシピ」に。
私たちが住んでいる社会には
生きづらさや貧困の問題を抱えて
苦労し孤立している人が年々増えているように感じます。
自分もいつどうなるかわかりません。
一つの苦労が終わってもまた別の苦労がうまれてくる。
それは誰でも同じこと。
その苦労を避けることなく、
向き合うこと。
それらの苦労をつながりの中で共有しながら、
すこしずつ心が健康になっていく…。
「つながりのレシピ」は、そんな物語になるはずです。
稽古場の風景(左が筆者)