青年劇場全国後援会

4月14日に発生した熊本地震は今もなお余震が続き、避難生活を余儀なくされている方々も多くいらっしゃいます。ご自身も被災された、青年劇場全国後援会の会員で熊本市民劇場会員でもある渡辺美貴さんに現地の生活を綴っていただきました。

平成28年熊本地震

渡辺美貴(熊本市民劇場会員)



ご自宅アパート
 熊本市民劇場4月例会(4月4日〜6日)青年座「からゆきさん」を終え、12日に事務まとめの会、そして18日に運営委員で最後の締めくくりの会をしようと約束して別れた。がまだその約束は果たされていない。

 4月14日午後9時26分、後に前震と言われる震度6弱(熊本市)の揺れに襲われた。長くひどい揺れに食器、PC、プリンター、電話機…、棚の上にあったものは落ち、食器はほとんどが割れてしまった。でもライフラインは無事だったので、まだ余裕があり、余震は続くがこれ以上ひどくなることはないと思っていた。翌日は会社の片付け、自分の部屋の片付けに追われ、疲れてウトウトした。

4月16日午前1時45分。ドンドンドンという家具が倒れる音に目を覚ますと、前日よりひどい揺れが…。アパートが壊れてしまうかもしれないという恐怖、暗闇の恐怖。揺れがおさまって、外に出るとみんな外に出ていて、駐車場で余震に怯えた。部屋に戻れず、その後は福岡と熊本を行ったり来たりの生活。熊本ではしばらく避難所での車中泊という日々が続いた。

その頃、市民劇場では、事務所は無事だったものの、物が散乱し、その片付けに追われていた。会費納入の受け入れのために、前震の時には事務局長一人で、本心の時には事務局のお二人と幹事の皆さんで片付け、予定通り(時間は短かったが)会費納入の受け入れが行われた。しかし、エレベーターは動かず、トイレの水は流れないという過酷な状況は続いていたらしい。

6月例会東演「検察官」は6月6日〜8日熊本県立劇場公演の予定だったが、県立劇場も被災し使用できない(8月25日開館予定)。そこで6日は八代に会場を移し、あとは28,29日に延期して植木の会館で上演することになった。熊本市からはどちらも1時間以上かかる。でもこんな時だからこそ、例会を実現してくれた市民劇場と劇団に感謝の念でいっぱいである。

 益城町も南阿蘇もまだまだ復興が始まったばかり、熊本市内でもまだテントや車中、避難所で宿泊している人は少なくない。余震も続いている。まだまだこれから、さあ、これから。

 9月例会は通常通り県立劇場で迎えられ、みんなで観劇できる喜びを笑顔で語り合いたいと思う。いえ、語り合っているはずと思っている。