朝鮮半島における“創氏改名”政策の真実を描き、2006年の初演以来、各地で大きな反響を呼んでいる「族譜」。今年は四国の演劇鑑賞団体例会公演が予定されており、出発前の5月13日、前進座劇場にて東京再演を行いました。

 韓国併合100年の昨年は、台本の改定とともに配役も変更して巡演に臨み、回を重ねるごとに舞台への共感と感動が深まりました。今回の再演でも、さらに練り上げられた舞台に、「観たのは二度目だが、一度目に受けた事実の重さだけでなく、韓国の踊りや衣装の明るさが印象的だった」「『善良』な日本人が国策を信じ、結果ひとりの朝鮮人を死に追いやっていく様に胸を打たれた」といった感想が多く寄せられました。

 また、今回の公演は3月の震災後最初の東京公演にあたり、「東日本大震災復興支援公演」と位置付けて取り組みました。会場でお預かりした65,259円の募金は、早速(社)日本劇団協議会を通じて被災地にお届けし、チケット収入の一部は、東北の文化復興のために役立てて頂こうと、東北演劇鑑賞団体連絡会議に送らせていただきました。ご来場いただき、まことにありがとうございました。


5月26日鳴門市民劇場の方々がお出迎え

 東京公演を終えた公演班は、1日おいて5月15日に四国に向けて出発。新しい出会いと、古くから劇団を応援してくださっている方々との再会に、交流の場も盛り上がり、7団体11ステージの巡演を終えて5月29日、無事に帰京しました。