7月15日(水)〜17日(金)全労済ホール/スペース・ゼロ(新宿)
7月18日(土)彩の国さいたま芸術劇場大ホール



左より 江原朱美 清原達之 福原美佳
舞台写真:蔵原輝人

 創立45周年の今年、2作目の新作としてこの7月、「キュリー×キュリー」を上演します。

 この作品は、フランスで大ヒットしたコメディ「シュッツ氏の勲章」(原題)を飯沢匡氏の演出で、「喜劇キュリー夫人」として2006年までの15年間全国上演したもののリメイクになります。前作では黒柳徹子氏を客演に迎え、劇団のベテラン勢とのアンサンブルで笑いと感動を巻き起こしました。今回は劇団の板倉哲が演出を担当し、出演者、スタッフ共に若手から中堅で、若さあふれるエネルギッシュな舞台を目指します。

 今回7月に初演の幕を開け、来年には全国公演が始まります。そのスタートとなる5ステージ、早目にお申し込みください。お見逃しなく!



「キュリー×キュリー」登場!
板倉 哲

 新聞によるとノーベル賞の益川敏英教授が学生に向かってこんなことを語ったそうだ。「科学は必然性を明らかにし、人間の自由の範囲を拡大する。学問とは、みなさんが自由を獲得していく過程だと思います」。自由とは必然性の洞察であるというのはヘーゲルの命題。実に明瞭で美しい表現だと思う。私はマリー・キュリーとイメージが重なった。

 「自分の喜び」「快感」を得るために時間を惜しんで学び研究を続けたマリー。彼女はそんな自分の姿を「繭を紡ぎ続ける蚕のよう」だと形容している。彼女や益川氏は自由を求める自らの内なる欲求に率直に生きた人たちではないだろうか?そしてそんな生き方を受け止めてくれるパートナーや仲間がいたから、彼らは成功するまでその生き方を貫くことができたのではないか?

 現代の日本は(日本の学校は)そんな生き方を許してくれるだろうか?許される場があるのだろうか?「キュリー×キュリー」をスケールの大きな、そしてロマンチックな喜劇に作り上げて、そんな事を問いかけてみたい。



 7月の公演で皆様に初めてお目にかかる「キュリー×キュリー」ですが、より面白い舞台づくりをめざし、皆さんのご意見をうかがうために、2月に2ステージのプレビュー公演を行いました。以下はその時の感想です。このときに頂いた厳しい声、温かい声を力にさらに磨きをかけた舞台をご期待ください。

○すっごく感動しました!!ラジウムや放射能を発見するまでにこんなすばらしい物語があったなんて…感動するとともに科学にも興味ができました。(14才女子)

○ひとつのことをとことん追求する喜び、真理の発見のよろこび、真理とは、ボンヤリしたものの中にあるスッキリした美しいものっていう感じ、が伝わってきました。(高校教師49才)




 公演を前に、作品の世界をのぞいてみよう、ということで、ガリレオ工房副理事長の古田豊先生と金子東雲さんをお招きしてつどいを行いました。作品にちなんで放射線を目と耳で感じ取ったり、マリー・キュリーが子ども達と行った実験教室の資料も紹介しながら、静電気で風船を飛ばしたり、空気と水の圧力でビール瓶を割ったりと、科学の不思議、面白さを肌で感じる会になりました。

 実験のあとは古田先生のお話と、2月に行ったプレビュー公演の舞台写真を見ながら出演者の紹介をし、ますます公演への期待がふくらむ会になりました。