劇団きのうきょう



6月11日文化女子大学附属長野高校の生徒さんたちと
前列右端が筆者

「修学旅行」越後路の旅
細渕文雄(俳優)

 今年上半期の「修学旅行」は5月連休明けから新潟市内中学校合同公演で始まりました。この合同公演は、1997年に始まり新潟市中学校教育研究協議会、主には国語科の先生方が運営しています。「平成の大合併」で中学校は急増し現在62校が参加。各校が演劇か音楽を選択し、2年に一度どちらかを実施する事になります。演劇の場合は2年間同じ作品が提案されるので、「修学旅行」は来年も実施する事が決まっています。

 今年は8校の中学校で鑑賞してもらいましたが、どの中学校も生徒さんの集中度は高く、弾けるような笑い声に会場が包まれました。やはり継続して舞台を鑑賞してる事が大きいようです。そして、公演前半の学校の評判が後半に観劇する学校に伝わり、先生方からも「評判聞いています。本校も期待しています」と、どこの学校でも期待を持って、私たちを迎え入れてくれました。

 全国的に学校での演劇鑑賞が激減する中、新潟市内の中学校でもその厳しさに変わりはないと思うのですが、各校の校長先生を始め、学校全体が中学生の芸術鑑賞は必要なものという意識を持つことで、その厳しさを乗り越えていると感じました。そこには一校一校の枠を越えた先生方の集団の力が継続の原動力になっているのだと思います。今後も様々な困難があると思いますが、この合同鑑賞教室がさらに豊かに発展されるよう、劇団としても先生方と協力できればと思っています。

 「修学旅行」は新潟での公演を終え、東北地方での学校公演に入っています。こちら東北でも、毎回毎回高校生との熱い交流が続いています。

 最後にお願いがあります。単独で演劇鑑賞を実施している学校では、最近の経済危機の影響が大きく、鑑賞のための予算を組むことが困難になり、演劇鑑賞離れという現象が生まれています。 今後も演劇鑑賞を守ろうとする先生方と連携しながら、その灯を絶やさないよう努力していきたいと思いますが、皆様からも学校の演劇鑑賞に関わる情報があればお寄せ頂ければと思います。よろしくお願いいたします。