青年劇場演技部の千田京子(本名・佐々木京子)が、3月26日午後3時25分、胆管細胞癌のため逝去しました。昨年9月第97回公演「藪の中から龍之介」公演に出演し、その後発病・療養中でした。享年54才。
1954年秋田県能代市生まれ。
77年共立薬科大学薬学部を卒業後、前進座附属養成所を経て79年青年劇場入団。
以来数々の舞台に出演し、同時に青少年劇場公演、地方一般公演では普及活動に携わり、各地で交流を深め、持ち前の明るい人柄と粘り強さで公演成功に貢献してきました。
発病から約6ヶ月での急逝は、劇団にとり大きな衝撃であり、痛手でした。葬儀は近親者により行われましたが、全国公演中の三班が集結した6月14日、青年劇場スタジオ結で「偲ぶ会」を開催。秋田・大阪をはじめ遠方からご出席の方も含め150人が、在りし日の千田京子を偲びました。瓜生正美顧問が「千田さんが演劇を通じて目指した志を受け継ぐことが残されたものの役目」と挨拶し献杯。高校・大学、養成所それぞれの時代を共に過ごした皆さんから、明るく行動的な彼女の思い出が語られました。
入団後初の舞台は、新劇合同公演、飯沢匡演出「シュヴァルツの裸の王様」村娘の役でした。2006年に初演の「博士の愛した数式」(小川洋子=原作、福山啓子=脚本・演出)では、原作になかった家政婦・吉田さん役をつとめ、以来全国での公演が好評を博し、また、公演班長も務めてきました。
主な出演作品
「クイズ婆さんの敵」「欲望の庫」「手紙」「わが街わが愛」「シシとササの伝説」「総裁公館―国鉄分割民営物語」「すみれさんが行く」「女おんなオンナ」「甦る夏の日」「真珠の首飾り」「17才のオルゴール」「ケプラーあこがれの星海航路」