劇団きのうきょう


土方与平さんを偲ぶ会


 4月19日「太陽と月」公演の休演日に、紀伊國屋ホールにおいて『土方与平さんを偲ぶ会』を行いました。
 代表の福島明夫の挨拶で開幕し、誕生からのあゆみをスライドで紹介。その後様々な分野の皆さんから、土方さんにまつわるエピソードを語っていただきました。その広範にわたる活躍ぶりに、予定していた時間を大幅に延長、最後は急遽編成された、青年劇場と中央合唱団OBによる「ラ・マルセーズ」(土方与平訳詩)の合唱で閉会となりました。


土方与平遺稿集刊行「或る演劇製作者の手記」

 築地小劇場の衣裳部屋のきれくずの入ったかごの中で育った幼少期から、家族と共に送った亡命生活。少年・土方与平の目を通してみた激動の時代が活写された半生記をはじめ、生前様々に発表した著作をまとめ、刊行しました。
 青年運動・うたごえ運動を通して社会変革を目指す運動に邁進した青年の生き生きとした息遣いが伝わってくる青年時代。世界の演劇と日本の演劇についての広い視野にたった深い考察。
 特に、フランスを中心とした海外の文化芸術政策の調査・研究のまとめは、芸術支援のあり方を考える上で、示唆に富み、重要な提起を多く含んでいます。
 ご自身が生前著作集の出版を準備されており、その遺志を引き継いでの出版となりました。この書が土方与平さんの演劇と、演劇を通じて実現したかったものへの想いを少しでも伝えるものとなれば幸いです。
(本の泉社・刊 税込二二〇〇円)

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