2号 | 新春てい談 | 「臨界幻想 2011」 緊急上演! |
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青年劇場 青少年劇場部長 大屋 寿朗
青年劇場は、その発足時から青少年劇場運動を劇団活動の柱として重視してきました。
「未来の日本を担う青少年に、優れた演劇を提供することによって、心豊かな人間の形成をめざし、民主的な教育・文化をすすめる運動に寄与する」と劇団規約に明記された青少年劇場公演の位置付けは、まさに子どもの権利条約の趣旨と重なります。
国連子どもの権利委員会は、この15年間一貫して、過度に競争的な教育システムが日本の子どもたちの身体及び精神の健康に否定的な影響を及ぼしていることを懸念として表明し、教育制度の改善と31条の実現を日本政府に勧告してきました。そして、権利委員会は今年の国際的な重点テーマ(ゼネラルコメント)として条約第31条を取り上げます。
この機会に権利条約と31条を広く社会に知ってもらおうと、子どもの遊びや芸術・文化に関わる国内の人々がネットワークする「権利条約31条の会」が、東日本大震災の最中に自ら救援救済に活躍した子どもたちの様子や、復興の中で見直されてきた子どもたちの遊びや芸術文化の力などの実態・実践を紹介し、「余暇・休息、遊びレクリェーション、芸術文化」で構成する「文化権」が、すべての子どもたちにとって、保障されるべき権利であることを分かりやすくまとめ、「うばわないで!子どもの時代」と題して本にしました。現在深刻に議論されている「いじめ」や「体罰」の問題の本質にも迫る豊かな内容になっています。
青年劇場からも私が編集に参加し、劇団の青少年劇場運動がめざすものを総括的に紹介したいと思い、「『文化的生活・芸術への参加』~青少年演劇と鑑賞活動の視点から」というテーマで、子どもたちが主体的に参加し創り上げる公演の取り組みや、日本劇団協議会の「すべての子どもに演劇を」キャンペーンを紹介しています。お読みいただき劇団の青少年劇場運動をご理解いただく一助となれば幸いです。