青年劇場通信

2号 新春てい談 「臨界幻想
2011」
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地元の高校で『キュリー×キュリー』を見て

藤井哲信(青年劇場全国後援会幹事)

 青年劇場の俳優で高校時代の同級生、中谷源ちゃんから、「阿波高で『キュリー×キュリー』の学校公演があるから、時間があれば見て」との連絡が入った。徳島県立阿波高等学校は、私の在所からは自転車で通える身近な学校だ。最近は学校公演もホール等を借りて上演することが多いようで、体育館公演を見るのは久しぶりだなと思いながら向かった。

 まだ誰もいない開演前の体育館に入った瞬間、その舞台装置に驚いた。体育館にこんな本格的な舞台をつくるのは大変だったろうなーと、しばらく見入ってしまった。そして、公演への期待が一気に高まった。

 芝居が始まり、阿波高生たちは舞台に集中していった。研究に没頭する科学者でありながら、人間味を失わない人柄などがコミカルに描かれ、笑いも絶えない。

 詳しい台詞は忘れたが、最後にマリーが「人類はこのエネルギーを上手く使いこなせるか?」と問うと、ピエールが「未来の賢明な科学者たちは、きっと役立たせてくれる」と答えた夫妻の会話が心にしみた。そんなキュリー夫妻の思いが、明日を担う高校生たちに届いてくれたら幸いである。


※藤井哲信さんは、徳島県吉野川市徳住寺住職であり、ガラス工芸家でもあります。

 また、マリーの案じた未来に生きる我々は、このたび福島原発の事故を経験し、放射能の力の強さ、怖さを思い知らされた。この企画がいつ計画されたかは知らないが、このタイミングで作品を発表できる青年劇場に大きなエールを送りたい。


「キュリー×キュリー」公演班のメンバーと
(前列中央が筆者)

 さて、芝居がはねたあとは、宿舎が私の住む鴨島町ということもあり、近くの割烹で出演者と交流させていただいた。女将さんが気を利かせてスッポン料理などを用意してくれ、おいしいお酒で盛り上がった。その時、私の生業なども紹介させていただいたところ、是非見学したいということで、翌朝スタッフの皆さん共々、我が家へお越しいただいた。短い時間だったが、お寺や、専修館(藍染めとガラスの工房)を見て頂き、楽しいひとときを過ごさせていただいた。


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