2019年下半期公演 ありがとうございました
12月 小劇場企画No.24
「子供の時間」
リリアン・ヘルマン=作 小池美佐子=訳 藤井ごう=演出
2019年の最後を飾った公演は、12月12日〜24日、青年劇場スタジオ結(YUI)にて行ったリリアン・ヘルマンの代表作「子供の時間」です。子どもがついた嘘をきっかけに大人たちが破滅に追い込まれていくとい
う物語は、「フェイク」や「ヘイト」など特定の人々を貶める行為がはびこる現代、人間の奥底にある無意識の差別意識をもえぐり出しながら、生きることへの希望を感じさせるラストシーンにご覧いただいた方々の共感を得られる舞台となりました。加えて藤井ごう氏の演出により、ダブルキャストで臨んだ女優たちの魅力が引き出された公演にもなりました。
後ろ左から 中津原知恵 蒔田祐子 大嶋恵子
前左から 原田真衣 小泉美果 八代名菜子 岡本有紀
≪観劇後のアンケートより≫
○黒板を活用した素敵な演出に魅了され、次に特異なシチュエーションながら普遍的なテーマに引き込まれ、スリリングな展開にワクワクし、役者さんの骨太なお芝居に一人一人“苦”がリアルに伝わってきて、いい意味でとても苦しくなる舞台でした。ご縁があって観ることができて本当によかったです。えぐられるような苦しさが伝わってきたぶん、最後のキャレンの「さようなら」に私まで今年一年のあれこれが浄化されるような気持ちでした。
(山岸実生さん 40代)
左から 崎山直子 奥原義之 大山秋
舞台写真2点とも 撮影:V−WAVE
○素晴らしかったです。スタジオ結は役者の息づかいや汗や涙も感じられてよいですね。場面転換の音楽や黒板に英語で描かれたストーリーテラー的な演出もステキでした。前半はメアリーの心の闇におののき、後半はマーサの心の真実に胸が痛み、現代のSNSの怖さも頭をよぎったり……。盛りだくさんの感動がつまった舞台でした。女優陣が輝いていたのも嬉しいです。
(渡辺薫さん 60代)